シャロン ディビス(1934-アメリカ)
難易度 5
1983年、クラリネット奏者のダイアン・ラングが作曲を依頼し、
1983〜1984年、「カルフォルニア芸術委員会」の賛助による
南カリフォルニアのコンサートツアーにて、初演された。
「デュオ・ソナタ」と言うタイトルが示している様に、
この作品ではクラリネットとピアノに対して、
同等の比重が置かれている。
クラシカルな形態をとりつつも、節々にジャズの要素を思わせる
フレーズがちりばめられている。
第一楽章は、「複数の舞曲から構成されるソナタ-アレグロ形式。」
最初の舞曲では、リズミカルなクラリネットの伴奏に対し、
ピアノは、右手だけで演奏される。
音量は徐々に大きくなり、オーケストレーションも華やかになって
開放的で陽気な舞曲となる。
2番目の舞曲は、叙情的であるが、静かなロックの要素も併せ持つ。
3番目の舞曲は、最初の舞曲を力強くしたイメージで、
途中に、2番目の舞曲をモチーフにしたフレーズを挟んだあと、
フィナーレへと導かれる。
第二楽章の主題は「洒落」。
西洋の短調の音列が使われているが、テーマの部分では、
クォータートーン(4分の1音)や、唇によるグリッサンドを要求される、
中東音階から派生した音階で成り立っている。
曲全体は、5音パターンで構成されており、
5つのセクションに分かれる。
最初のセクションは、静かでムーディ。
続く3番目のセクションでは、ジャズの要素と情熱によって
組み立てられ、最後のセクションでは冒頭のテーマが再現される。
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第三楽章は、12音のジグ(ジャズの前身にあたる様式の一つ)が
基となる変奏曲形式で、ピアノがエコーの効果を表している。
各変奏曲はクラリネットのカデンッアによって区切られ、
コーダに入ると、熱狂的なクライマックスを迎える。
試聴 - 第三楽章より